親から子へ受け継がれていく血のロマンは、競馬の魅力の一つ。競馬は世界各国で行われており、中には現地で種牡馬として活躍する日本馬もいる。
そんな他国の種牡馬事情について、6カ国でレース騎乗経験を持つ藤井勘一郎騎手(36)=栗東・フリー=が経験を基に解説してくれた。
一番長いキャリアを積んだオーストラリアでは、日本からシャトル種牡馬としてけい養されている馬が多いこともあり、なじみの血統を見かけることも多かったそう。
欧州に比べて豪州で日本血統が歓迎される理由を「オーストラリアは、森を開いたところに競馬場があるヨーロッパとは違って、ある程度、日本と同じで“コース”で競馬していますからね」と説明する。
古くはジャングルポケットやフジキセキ、今ではモーリスやミッキーアイルなどが、シャトルけい養されており、2010年、11年に高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキは、フジキセキが豪州で残した子だ。
シンガポールでは日本人トレーナーが活躍しているらしく、「高岡(秀行)厩舎といって、もともと道営のリーディングだったところなんです」と教えてくれた。
日本の競馬ファンからすれば、シンガポール競馬はオーストラリア競馬よりもなじみが薄いかもしれないが、06年にはコスモバルクが、07年にはシャドウゲイトがシンガポール・エアラインズ・インターナショナルC(G1)を制している。
また、日本調教馬だけでなく、日本産シンガポール調教馬の活躍も目立っている。「長距離ですごく活躍したエルドラドという馬はステイゴールド産駒の日本生産馬で、ゴールドC(G1)を3勝しました」。引退後にはエルドラドの名を冠したレースが施行されるなど、シンガポール競馬に大きな影響力を与えた様子だ。
他にも「ジョリーズシンジュ(父ジョリーズヘイロー、4歳チャレンジ3冠馬)も日本のセリで買われた馬ですしね。あとは不思議なことに、向こうでディープ(インパクト)産駒にも乗ったことがあります」と懐かしげに振り返る。
JBISで確認すると、ジョリーズシンジュは引退後、オーストラリアで繁殖入り。14年産のフォーマリティー(父ファストネットロック)が重賞4勝を挙げている。
韓国は「種牡馬がアメリカから輸入されるパターンが8割」と話すが、ダートしかないという理由だけではないようだ。
「福岡から韓国まで船で2時間。一見、日本から連れて帰る方が速いと思いますよね。でも、北海道からそこを経由して持ってくるのと、遠いけどアメリカから一気に持ってくるのでは、アメリカからの方が関税とかが安いんです」と説明してくれた。確かに…と納得させられることばかりだ。
そして、その米国から輸入されたのが、「向こうのディープインパクトです」というメニフィー(父ハーラン)だ。昨年に死んでしまったが、産駒が韓国3冠を制覇したり、年度代表馬に複数馬が輝いたり、韓国競馬を象徴するような活躍を見せた。
とはいえ、日本からもビワシンセイキやイングランディーレ、テスタマッタなどが輸入されており、最近ではクリソライトが韓国に渡っている。その中でも「イングランディーレの子でチグミスンガン(コリアンダービーをV)っていうのがいて、強かったです」と舌を巻く。
チグミスンガンは引退後に同国で種牡馬入り。イングランディーレの後継種牡馬となった。異国の地で、日本の血脈が広がりつつある。
意外なことに中国でも騎乗経験を持ち、「芝コースに立派なゲートがあって衝撃的でした」と述懐する。
肝心の馬はというと「オーストラリアで売れ残った馬が一線に行っています」と、意外な返答。白星も挙げられたようで、「血統を見たら豪州産の馬がいて、オーストラリアの時の感覚で乗ったら一つ勝てました。パッと行った地でも血統を見たらそういう乗り方ができますね」と、見知った血統が騎乗の大きなヒントになった様子だ。
「血統は面白いですね」と異色の逆輸入ジョッキーは相好を崩す。「小さい頃にサンデーサイレンス産駒1期生のダンスパートナーらがいて。フジキセキで競馬が好きになりました。オーストラリアに行って、騎手になって、そしたらフジキセキの子がいて…びっくりしました。
(主戦の)アブレイズの3代母リリオも、池江先生が助手時代にアメリカのセリで買ってもらった馬ですからね」。ドラマ性すら感じる血のストーリーに胸を熱くした。
参照元URL:異色の逆輸入ジョッキー藤井勘が世界で見た日本馬の血脈
競馬記者なのにこんなことも知らないのか。知らなくてもこういう取材するなら前情報として入れてくるだろ。
一つ目は、馬券。
二つ目は、厩舎や騎手や馬主、JRA等の馬屋社会の考察。
そして、
三つ目が血統。
どれも、奥が深い。
南関東で乗ってたときからボロクソに言われてたじゃん。まぁ下手な騎手も馬券的に使い道はありますが。
苦労人だし応援したくなる。
でも、オークスで穴人気するくらいの馬に乗れたんだから騎手としては大成功でしょ
ダート血統だけでなく芝血統の種牡馬も多いってこと?
アメリカ〜の輸入は、日本を経由せずダイレクトで輸入した方がいい?ってこと?
多分書きぶりからして香港では無さそうだけど
本土は賭博禁止ではあるが、広州で馬券を売らない競馬場が最近できたとか聞いたことあるけど、それか
トルコ競馬でスマートロビンが新種牡馬で頑張ってたり、近い将来、父系や母系に日本の血脈がある馬が外国馬として遠征してくるかも。
色々と懐かしい馬名がでてきても興味深く読ませていただきました。
人気馬に乗って、ガッツリ行ったら、
見事に、ボロ負けもあったけど。
人気薄の馬に乗ったときに、おいしい思いも
させてもらった。
人気薄の時に馬券をこれからも買わせてもらうけん。頼むよ。
あの欧州がディープインパクトの血を求めたくらいですからね。
産駒のサクソンウォリアーには期待しています。
外国人騎手が来日し大活躍…
それもワールドワイドでおもしろいけれど、日本の競馬だから日本の騎手がいいところを見せてほしいし、返り討ちにするくらいの気迫を見せてほしい。
「スタートしてから100メートルは進路変更してはいけない」という「謎ルール」があるので・・・
そこを改善しないと「世界基準の競馬」にはなれないかもしれない。
馬場入りから頭を上げていて
その時点で今年のオークスは終わりました…
こういう記事、もっともっと読みたい!
今年は酷かった勝率も見れるくらいには改善して、重賞勝ちもしたけど、あんまり好きな騎手ではないなぁ
金づくしやぁ。
やっぱり国によってレースも体系も大きく違う中で様々な国で騎乗経験があり、引き出しがたくさんあるのは大きな強みですね。
彼の様に、JRCを介さずとも騎手になれる方法もある。騎手予備軍よ、もっともっと外にも目を向けて行って欲しい。
期待してるぞー
本当に頑張って貰いたい!
逆に言えば日本で騎手になれなくてオーストラリアに行って出戻ってきたんよな。幸さんとか和田さんくらい乗れてたら
こんなの書かないけど、競馬はプロセスじゃなくて、結果だから!!と彼に言いたい。