ライル・ヒューイットソン騎手のインタビューに写真撮影も兼ねて立ち合ったのは、3月11日だった。その時に発した「馬が大好き過ぎて騎手になりました」という言葉が印象に残った。そんな彼なら南アフリカの引退馬事情を尋ねても大丈夫かもしれないと、インタビュー終了後に質問を投げかけてみた。
日本の競馬の世界では、最近でこそ少しオープンになってきたが、引退した競走馬のその後を尋ねることに躊躇する雰囲気が長くあった。その経験があったので、ヒューイットソン騎手からどのような答えが返ってくるのか少し不安もあったのだが、それを吹き飛ばすかのような熱心さで南アフリカの引退馬事情を話してくれた。しかも自ら引退した競走馬を所有しているというではないか。レコーダーを回していなかったことを後悔したほどの想像以上の内容に、改めて取材させてほしいと願い出たら、笑顔で快諾してくれた。
インタビューは、4月8日に行われた。JRAの引退競走馬に関する検討委員会の委員でもある鈴木伸尋調教師も同席し、ヒューイットソン騎手に改めて南アフリカの引退馬事情について、そして彼の愛馬について質問をした。「僕がわかる範囲になりますが」と前置きをした上で、ヒューイットソン騎手はにこやかに応じてくれた。
――南アフリカでは競走馬が引退した後、どうなるのでしょうか?
ヒューイットソン騎手
まず(競走馬として)馬を購入する際に馬主さんは馬のセカンドライフについての同意書を書かなければいけないのです。それに基づいて競馬を引退した後は、まずは馬をリトレーニングすること、それはどこであっても良いのですけど、リホーム、つまり新しい場所に引き渡します。
――それは競走馬を購入した馬主全員が同意書にサインしなければならないのですか?
ヒューイットソン騎手
はい、必ずしなければなりません。(引退した馬が)リトレーニングされて新しい場所に行った後、その馬に何か起きた場合はその馬主さんの責任になるという形を作っています。
――つまり何かトラブルが起きた場合も競走馬時代の元の馬主さんが責任を持つということですか?
ヒューイットソン騎手
はい、その通りです。
――どのような責任を持つのですか?
ヒューイットソン騎手
ナショナルレースホースアソシエイションというのが南アフリカの競馬会なのですが、リホームで馬がきちんと世話をされていないということが発覚した場合、その馬主さんに対して罰金が課せられたり、馬主免許停止という処置がとられます。免許停止は最悪の場合で、基本は罰金を課すという形ですね。
――馬のリホーム先が良い環境ではないとわかった場合は、馬主さんはそこから馬を引き上げるということはするのでしょうか?
ヒューイットソン騎手
SPCAという動物愛護の団体があって、その団体が馬をレスキューすることもできます。ある馬がセカンドホームで馬車を曳かされているのを目撃した人がいました。その馬はわかりやすい特徴があった有名な馬だったので、わかったんですね。それですぐにそういうことをしてはいけないと。
――なるほど、一般の人が団体に通報してレスキューに繋がることもあるんですね。馬主さんはその団体とは連携しているのですか?
ヒューイットソン騎手
馬主さんもその団体に相談することもできるようになっています。SPCAと一緒に行ってレスキューして、次の新しい家を探したりします。SPCAは必ず馬主さんと一緒に動いてくれます。馬がちゃんと面倒をみられていないことを知った時に、やはり馬主さん1人ではなかなか行動できません。引退した競走馬のセカンドライフを考えられるのも、SPCAのように相談する団体があってこそだと思います。
――日本ではセカンドライフというとほとんどが乗馬ということになっていますが、南アフリカではどうでしょうか?
ヒューイットソン騎手
ショージャンピング、ドレッサージュ、ポロなどいろいろな道があって、それぞれ人気はあるのですが、収入が良くないのでプロフェッショナルというよりは、皆さん趣味という形にはなっています。自分の彼女も競走馬から乗馬へのリトレーニングに関わっている仕事もしているのですが、リトレーニングした馬を売ることもできます。ただ馬が良ければ売れるのですけど、売れない場合は無償で提供するということもしています。馬にはそれぞれアベニュー、通りがあります。つまりいろいろな生きる道、いろいろな通りがあります。馬には様々な選択肢があるということですね。
――サラブレッドは乗馬には向かないとも言われていますが?
ヒューイットソン騎手
サラブレッドがショージャンプなどに向かないかどうかについては、僕はその分野に詳しくないのでわからないのですが、言えることはサラブレッドは非常に頭が賢いと思うんですよね。これからショージャンパーとして活躍したいと思うような若い子たちにとっては、サラブレッドに乗ってショージャンピングをすることによって、彼らの成長を促すことができるのではないかなと、僕は感じています。南アフリカではショージャンピングはすごく高いレベルではなく、趣味という意識なので、それを考えるとサラブレッドはレベルに合っているのではないでしょうか。南アフリカでも有名なショージャンパーはいますが、その方たちはそのレベルに合った馬に乗られていると思うのですけど、その下のレベルの選手数を見ると、サラブレッドの頭数とその数が釣り合っていると思います。
――ショージャンピング以外にも、ポロやドレッサージュの話も出ましたが?
ヒューイットソン騎手
例えばポロの場合もやはりプロフェッショナルではなくて、趣味なんですよね。ポロをしている人たちが引退した競走馬を引き受けているのですが、その人たちが今度は競走馬に興味を持ってくれて、うまく回っているという部分はありますし、元競走馬がポロ用の人気種牡馬になっていることもあります。例えば僕が競馬で乗っていた馬で、引退後にポロに行った馬がいます。アルマフティという馬なのですが、その子は競走馬としてはさほど成績は残しませんでしたが、ポロとしての種牡馬としては人気です。ポロをやっている人たちは、いつまたあの馬の子供が手に入るの? みたいな感じになってもいて、これもまた違う馬生と言えますよね。
(つづく)
※このインタビューは4月8日に屋外で十分な距離を保ち、マスク着用のもと行いました。
参照元URL:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200428-00000023-kiba-horse
種牡馬に種付け数上限を設けるべきだ
馬にも優しいし、いろんな血統も残せるではないか
国土も違えば文化も全く違う南アフリカを出されてもね。
こんな事日本でやれば、逆に競馬会は衰退し、競走馬は淘汰されますよ。
もちろん、競走馬としての価値がなくなったから処分、というのは悲しい現実ですが‥
一口会員もだよ!引退馬も一口で会費払う制度がある。
8年前の話ですが、ノーザンホースパークでアドマイヤジュピタ、デルタブルースが騙馬になってびっくりした記憶が蘇りました。
国が違えば全て違う、、、
グローバルになってきた今だからこそ多国籍に人とコミュニケーションをはかり、情報の発信から考え方の転換に結び付いてほしいです
乗馬大会を観に行くとダーレーが競走馬のセカンドライフの改善に取り組んでいるようだから、南アのように義務化は難しいにしても、力のあるオーナーには是非取り組んで欲しいです。
アフリカの星。
よく言ってくれました!
涙が出るほど嬉しいです。
だいたい今の日本の競走馬多すぎる。
10分の1の頭数で競馬はやっていけると思います。
凱旋門賞だのダービーだと言って騒いでいるけど、
ほんとのところ皆馬券(ギャンブル)が好きなだけでしょう。
ディープやトウカイテイオーで涙するのであれば、
最後の未勝利戦で敗退する馬にも思いを。
あのハルウララは一人の女性が面倒みています。
それを支える人たちもいます。
サラブレッドとして生まれ、あるとき母と仔が引き離されます。
母馬の馬房から仔馬の馬房からしばらく悲痛な泣き声は止みません。
それから競走馬になるために厳しい訓練を受けてデビューしても
勝ち上がっていく馬はほんのひとにぎり。
・・で最後は・・
人が正善であるならば・・
引退時に再調教用に金を払わせるってシステムが様々な国で導入されてるのは知ってます。
ただ、それでも金以前に世界で年に何万頭と生まれる馬を受け入れるスペースはどこにあるのかと
個人的に調べた話だとオセアニアにかなりの数の受け入れ場を作ったものの結局検疫の問題やらで受け入れきれず行方不明多発に終わったなんて話を聞いたことがあります。
あとは何故かマカオやジンバブエで走らされてたとか。これもマカオやジンバブエクラスならまだそれなりの格の競馬やってるからわかったレベルの話ではありますが
ポロとか馬術競技もとてもじゃないんですが需要満たせるとは思えないんですよね。南アフリカ生産馬だけで年二千頭はいるのに本当に需要あるのかと
記事にあるようにサラブレッドが使えるのはあくまで趣味レベルなわけで、本気ならハノーバーなりセルフランセなりの品種もあるのに
でも薬殺したら食えないか。
酷い言い方をすれば最後の話はと殺の金を負担している。当然愛馬だったわけで好きでそんな事をしている訳ではない。泣く泣くだ。
人間の都合で配合させて生まれてきた生命
馬主が責任もって競走馬生命のセカンドライフも
考えてほしいよな。
JRAも収益が莫大なんだから
一番貢献している競走馬たちのために
お金を費やすべき
馬券が売れなければ賞金も下がって生産も減る。そうしたら処分される馬は減ります。
ネット競馬みたいな馬券購入を煽るメディアを読まず、商売が成り立たなくするのも大切です。
(もちろん皮肉です)
買い手が減れば、生産も減る。
立場が違うが、乳牛も役目が終われば食肉市場に出される。
日本のような競馬にも経済的な面が優先される国もある。
だからこその高額賞金、多頭数のレースが組める。
さらに、厩務員というか、飼育員と言うか人件費が安いです。
本邦においても日高の育成現場はねぇ。
大事なことですが、日本ではハードル高いです。
小規模な地方の競馬場に降りてきます。
そこでも勝てなかったりすると
巷間言われている様に
食肉加工場に向かいます。
だけど即食肉に加工されるわけでなく
やはり少し肥えさせないといけないので
その様な牧場に行きます。
私の知る限りサラブレットは家畜用の飼料とかになるんじゃないかな?
地方競馬の厩舎村に行くと
競走馬輸送用でない
馬運車を見掛ける事があります
あれはさすがにちょっと切ないですね。
でも馬主さんが
中央から降りて来る時に
手に入れた価格より
高値で食肉業者に売却できる事もある様ですね。
なってるだけで、殆どは屠殺。
食用&エサ。
それだけ懸命に走り勝ち負けし、時に感動もみせてくれる。
主役であれ、脇役であれ。
だから、やはりその競技生活を終えた後も活躍の場を与えるべきだし、生き物を尊ぶべき。
殺人したような奴に、執行収容や無期懲役なんてやるくらいなら、馬や動物の生命の方が重要だ。
しかしながら動物が人間に飼われるということは、何らかの仕事をしなければならないということ。競走も仕事だし、乗馬も使役も見世物も、さらには最終的に食肉となることも仕事だから仕方ないとは思うんだけどね。多くの牧畜がそうであるように。
でも馬の立場で言わせてもらえば、サラブレッド本人には仕事を選ぶ権利が無い。(特に牡馬は)勝ち上がって繁殖に勝ち残れないと、どうしようもないよ。
日本のように6000頭超えて世話するのは
無理な話だろ。
あと同意書って言ったってすり抜けられるカラクリがあるのでは?話が少し違うが、アメリカでは競走馬の殺処分が禁止されてるが、業者は国境またいでメキシコで殺処分しているように。
見向きもしない話だろうな・・・。
現状は引退馬保護してる極一部に5万円の補助だしてるだけだっけ?
動物愛護団体も競馬は華麗にスルーだからなw
要らなくなった馬は肉にするのが一番なんですよ。
それが日本競馬のやり方なんです。
小さな島国に、それは無理がある。
客を呼べるなら良いが、無名な馬では客は呼べん。
可哀想だと思うならお前らが養ってやれ。
所有馬というのは、所有者=馬主になるわけ。
馬主の考え方にもよるんだからそれでいいじゃないか。
その肉になり儂らの胃に入るんだ。
可哀想がってるお前らも知らない間に胃の中に入ってるって事。
忘れちゃならんよ
生産牧場、調教師、騎手への配分は絶対減らさずにJRA取り分からの積立が絶対条件で
無駄に高いJRA職員の給料から天引きでもいい
触れてはいけない部分
馬刺しが安く食べれるのも闇のおかげ
競馬というものが存在しなければサラブレッド達はこの世に生まれては来ない訳ですが、人間のために走ってくれる馬に少しでも良い余生を過ごして貰いたいです。
(これも人間のエゴかもしれませんが)
南アフリカの馬主制度は素晴らしいですね。
日本もそういう状況に少しでも近付けるように制度を見直せると良いと思いました。
国庫に莫大なお金をおさめさせるのを
少し減額すれば、
「引退した馬はJRAが馬肉よりは高い値段で
買い取り、亡くなるまで飼育します。
いつでも言ってくださいよ!」
ってできるよな?
それぐらいのことを
してあげてもいいんじゃないかな?
乗馬クラブも安全第一でやっていくためより大人しい馬を選ぶし、すぐに使える馬を欲しがる。
外国がやってるから日本もやれ、と言うだけなら誰にでもできる。
今、行動を起こしてる人達と一緒に自分が出来ることは何かを考えて行動してほしい。
必然的に払い戻し率が少なくなる。
これをクリアすることに賛成でないと、
南アフリカのシステム賛成はおかしい。
すごく良いインタビュー記事だと思う。
感動を与えてくれる競走馬たちをもっと大切にすることで今後の競馬も盛り上げる事を願う。