変幻自在の手綱捌きで、競馬ファンを楽しませてくれる横山典弘騎手。大一番から条件戦まで、同騎手の名騎乗は数知れずといったところだが、その中でもNo.1はどのレースになるのか。
競馬専門紙「優馬」と「競友」のTM(トラックマン)、記者らにアンケートを実施した。
「横山典弘騎手の名騎乗といえば?」TM・記者アンケート結果
1位 6票 2004年 天皇賞・春 イングランディーレ
2位 4票 2014年 日本ダービー ワンアンドオンリー
3位 3票 1998年 菊花賞 セイウンスカイ
4位 2票
2005年 菊花賞 アドマイヤジャパン(2着)
2015年 天皇賞・春 ゴールドシップ
2020年 札幌記念 ノームコア5位 1票
1991年 宝塚記念 メジロライアン
1996年 天皇賞・春 サクラローレル
2000年 朝日杯3歳S メジロベイリー
2008年 中山記念 カンパニー
2009年 日本ダービー ロジユニヴァース
2014年 京都記念 デスペラード
2014年 安房特別(1000万条件) ケンブリッジサン
2018年 JBCレディスクラシック アンジュデジール1位 2004年 天皇賞・春 イングランディーレ
文:中邑茂TM(優馬)
上位人気を占めたネオユニヴァースら“4歳4強”が折り合いを意識して牽制し合う中、10番人気イングランディーレは、横山典弘騎手を背に息を入れながらも後続を大きく離す逃げ。
直線を向いてもその脚色は衰えず、もがく上位人気馬を尻目に、最後は7馬身差をつけ勝利を収めた。
展開利こそあったが、レースを見直して一番に感じたのは馬が非常に気分良く走れている点。
勝負が掛かった時に、騎乗馬の気性や特徴を考えて気分良く走らせる技術の高さが横山典弘騎手の真骨頂であり、それを目の当たりにしたレースだった。
2位 2014年 日本ダービー ワンアンドオンリー
文:堀勇斗(編集・競友)
ワンアンドオンリーは、その強烈な末脚を武器に好走していた馬で、ダービーで本馬を支持したファンも「器用さはないが決め手は一流、府中の長い直線を使ってその持ち味を生かせば…」という目論見を持っていたに違いない。
しかし、横山典弘騎手はその期待を裏切り、内枠を生かした好位策を選択。直線では先に抜け出した皐月賞馬イスラボニータとの競り合いを制した。
“馬7割、騎手3割”はよく耳にする言葉だが、時に横山典弘騎手は“3割”の重さを痛感させられる騎乗を魅せてくれる。
同騎手は、逃げ馬で追い込んだり、追い込み馬で逃げたりといった選択を稀に実行する。稀代の天才騎手・福永洋一も似たような戦法をとったそうだ。
その圧倒的な“3割”でトラック全体を支配する力を持つ騎手たちは、本当の意味での“馬なり”を知っているのではないか。
つまり、それは馬の癖を掴み、個性を把握し、それに基づいた適切な戦法をとることだけでなく、その日の馬の気分、纏っている空気感、呼吸のリズム、更には条件等を踏まえた相対的な判断を含むということ。
少なくとも、ワンアンドオンリーのダービーをはじめとした数々の名騎乗は、横山典弘騎手が最適な“馬なり”を導き出し、遂行し、成功させた、といえるのではないか。
3位 1998年 菊花賞 セイウンスカイ
文:大江原毅TM(優馬)
ダービー馬のスペシャルウィークが単勝1.5倍で抜けた人気となっていたが、横山典弘騎手を背にハナを叩いたセイウンスカイが、終わってみればスペシャルウィークに3馬身半差をつける完勝劇。
その圧巻のレースぶりは自身が刻んだラップを見れば明らかである。
1000mを59秒6のハイペースで引っ張り後続を引き離す形の逃げに持ち込む。
その後、中間の1000mは64秒3とかなりペースを緩めるも、早々と先手を主張した鞍上の気迫に押されてか、隊列は一切変わらず。
“この時点で勝負あり”と言わんばかりのセーフティーリードを保ったままラスト1000mも59秒3でまとめて他馬を完封。
ゴール後のガッツポーズが象徴するように、まさに横山典弘騎手の手腕が光る会心のレースだった。
巧みな騎乗は条件戦でも…
横山典弘騎手の名騎乗、ほかにも多数あげられているが、その中から2014年の1000万条件戦(現2勝クラス)安房特別に票を投じた山崎TMのコメントをご紹介。
2014年 安房特別(1000万条件) ケンブリッジサン
文:山崎啓介TM(優馬)
これぞ知る人ぞ知る横山典弘騎手の真骨頂といえるレースだろう。
ハナを叩き大逃げの形に持ち込んだケンブリッジサンだが、向正面を過ぎると他馬にどんどん交わされる。
普通ならそのまま馬群に沈むような感じだったが、4角から直線で何事もなかったかのように盛り返し、最終的には1馬身差で勝利を収めた。
そのレースぶりには驚かされたが、大逃げの最中も交わされてからも、横山典弘騎手は馬の気持ちに任せていただけで、とにかくリズム重視。
「最後だけ俺の言うことを聞いてね」といった騎乗は、見ていて本当に面白いレースだった。
インタビューでも「馬のリズムで」ということが多い同騎手の素晴らしい“名騎乗”と、それに応えたケンブリッジサンに1票を投じたい。
以上がTM、記者らの投票結果だったが、読者の方が思う“横山典弘騎手の名騎乗”は? コメント欄にて、ぜひともその意見を教えていただきたい。
ライアンと 叫ぶ声が印象的です。
これからも 1年でも多く 現役を続けて下さい。
大雨で異常に重い馬場で
何十年ぶりの遅いタイムも印象的。
冗談はさておき、ジャスタウェイの中山記念も中々味がある。制裁貰ったけど。
後は小島太調教師最後の勝利であるメイデンホールも挙げておきます。
ゴールドシップの宝塚記念で立った時はやっちまったと思いましたが笑
乗り難しいクラフトワークを駆り
圧倒的人氣のファインモーション差した。
抜かれて差してまた抜かれて終わったと思った後のもうひと伸び。
何回見てもゾクゾクする。
早すぎず遅すぎずで直線での追い出しのタイミングが絶妙でした。
当時は良く典・武(憲武)馬券を買いました。有馬記念のサクラローレル、マーベラスサンデーは現地で応援し、見事的中させて頂きました。
あのレースは好きだったなー。
セイウンスカイとの(武豊と横山典の)やりとりも楽しかったなー
良い時代♪
大逃げかまして失速、馬群に飲み込まれて終わりかと思ったら4コーナーでいつの間にか前に位置してそのまま逃げ切りとかいう
普通の競馬じゃ考えられないレースをやってのけた馬だったな
宿敵スペシャルウィークに皐月賞では勝ったけど、ダービーでは大差で敗れ、やはりスペシャルウィークには敵わないのかなぁ~とあきらめかけていた菊花賞で、あの絶妙な逃げは、ノリさんにとっても会心の騎乗だったと思います。
人気落ちてこそなのに・・・センスない
セイウンスカイは皐月ダービー菊有馬と全部本命
これもセンスない…
現地で見てて先行出し抜けの会心の騎乗
ディープ負けるんじゃ…とドキドキした
結果ディープには負けたけど、最高の騎乗だったと思ってます!
生まれた年が悪かった。それしか無い。
レース中の故障で、絶対死んだと思った時に馬の決死の頑張りで落馬せずに助かったと。
それ以来、馬の悪口は言えなくなったとか。
同じ50代のヨシトミ先生とは正反対のような騎乗ぶりです。
キタサンブラックを負かした
G2時代の大阪杯。
あとは
ブラックホークで勝利した安田記念も
巧みな手綱さばきと思いますね。
ガッツポーズが早すぎで採決委員からお灸をすえられたという出来事も込みで。
リンカーンの天皇賞・春、シーキングザダイヤのJCダート、去年の息子のお手馬ウインマリリンのオークス。他にも上げたらキリがないかな。
ディープじゃなきゃ勝ってたでしょう。
まぁ馬券取らせてもらったっていう私情も込だけど、大外枠から1コーナー回る時に最内に付けた時点で勝ち確だったもんな。
あとは忘れてならないのはケンブリッジサン(安房特別)・アエロリット(クイーンS)・ミツバ(ブラジルカップ)、エイシンヒカリ(アイルランドT)この辺りかな
皆さんおっしゃってる様に芸術的逃げだよね典さんは
でもちょっと前の典さんと言えばG1で2着と言うイメージが強かった
その中でも弥生賞はやはり印象深い。ライアンで菊花賞を負けた翌週のキョウエイタップもよかったですね。
それと個人的にそつ無く上手く乗ったなぁと思ったの2着に負けたがビコーペガサスでのスプリンターズS。
馬群に入れ流れに乗って直線脚を伸ばし、外からヒシアケボノに力でねじ伏せられたがビコーペガサスにとっては最高の競馬だったんじゃないかなと思った。
わずかな骨折を察知して馬を止め、大事に至らなかった。横山は昔からあまり好きじゃないが、あの競走中止はたいしたもんだと思ったわ。
あれはわらた
最初から最後まで見どころたっぷりで個人的に好きなレース。
あれほど痛快な勝利はない。
単勝1点台で過剰人気だったかも知れんが、それまで逃げて大差勝ち、まさか馬券圏内は外さないだろうと複勝に大金ぶちこんで、いざゲート開くと出遅れてポツン…一瞬で顔が青ざめたな。
後方から勝ちきれないレースが続いたカンパニーを中山記念で勝たせたのはお見事でしたし、デスペラードの京都記念の積極的策からの差し返しやミツバのブラジルカップの大逃げ等は大好きです。
豪快な空振りと豪快な場外ホームラン。どちらの騎乗も横山ノリさんの魅力です。
唯一無二横山典弘。
一週間遅れの18番ですね
印象的だったのはローズバドの三連続G1を含む4回連続2着。特にエリザベス女王杯は5頭横並びの中でも2着に持ってくるとか芸術的だった
まさか逃げるとはね
短距離ではないですがケイアイチョウサンのラジオNIKKEI賞もコース取り含め是非見て欲しい、典のエッセンスが詰まった騎乗
買わなけりゃ見てて楽しいがな。
昔のノリさんは今の意表付いた逃げよりも後方一気のイメージのほうが強かったなぁ。
レーザーバレットの京葉ステークスが個人的には1番好きなんたがなぁ。
よくそれを馬券内にもってきたなという2着レースも印象深いです。